親知らずが起こす主なトラブル
- 智歯周囲炎
親知らずの周りに汚れがたまり、歯ぐきの炎症を起して腫れや痛みが出る症状 - 虫歯
- 噛み合わせ
親知らずが変な方向に崩出してくると、噛み合わせがうまくいかず、顎がガクガクしたり、口がうまく開かない事があります。
また、咬む相手が歯ではなく、歯ぐきを咬んで傷になったり、ほっぺたをしばしば咬むこともあります。
抜歯した方が良いと思われる場合
- 虫歯が神経まで達していて、神経の治療が出来ない場合
- 何度も、腫れ・痛みをくり返して、その間隔が短くなり腫れ、痛みの程度がひどくなってきた場合
- 顎関節症の原因となっていて、調整だけでは対処できない場合
- 歯並びを乱す原因となっている状態で患者さん本人が、親知らずの抜歯のリスクよりも歯並びの保全を優先させたい場合
抜歯しなくても良いと思われる場合
- 完全に深い位置に埋まっていて、腫れ、痛みがない場合
- 一部出ていても、腫れ・痛みなどの症状がない場合
- 親知らずの汚れを十分に管理出来る場合
- 正常に崩出している場合
- 親知らずが将来的に、色々なものに利用出来る可能性のある場合
親知らずの抜歯の流れ
- 注射時の痛みを和らげるために、塗り薬の表面麻酔を1~2分を置きます。
- 注射麻酔をします。2種類あります。
・親知らず周辺の歯肉から麻酔する方法
・親知らずの奥の太い神経をブロックする方法 - 歯が完全に出ていない場合、歯が見えるようにします。歯肉がかぶっているのをメス等を使用し、歯冠(歯の頭)を出して、見えるようにします。
- 歯の周囲の骨を削ります。歯の位置が深いほど、骨を削る量が増えます。
- 歯冠の引っかかっている部分を削り、分割してとります。 斜めにはえている場合、手前の歯に引っかかっているため、普通の歯と違い、そのままの状態では抜けません。抜くときに、手前の歯にあたらないような状態にします。ここで、うまく歯冠(歯の頭)がとれない時、レントゲン撮影することがあります。分割するために入れるバーの角度がずれていることがあるので、レントゲンで確認し、修正します。
- 残った歯根を抜きます。歯根が曲がっている場合などは、歯根も分割することもあります。
- 歯肉を開いたところ、抜歯した穴を一度洗い流します。削りカスが残ったまま、縫合すると、腫れたり、痛みの原因になります。
- 歯肉を縫合します。歯肉を開いた時は、歯肉を元の位置に戻し、縫合します。7~10日後に糸を抜きます。